[多部] 「農業少女」演出 松尾スズキ
「農業少女」演出 松尾スズキ
中年男の物悲しさ 表現
けいこ初日に、いきなり全編の通しげいこをしたと言う松尾スズキ(右)。「皆がどん
なイメージを持っているか知りたかったが、多部さん(左)だけでなく、みんなアップ
アップしていました」と笑う=栗原怜里撮影 野田秀樹作、松尾スズキ演出の舞台「農
業少女」が3月1日から31日まで、池袋の東京芸術劇場小ホール1で上演される。N
HK連続テレビ小説「つばさ」でヒロインを演じた多部未華子が舞台に初主演する。(
多葉田聡)
松尾は、野田が作・演出した「パンドラの鐘」(1999年)、「農業少女」(20
00年)に俳優として出演したが、野田戯曲の演出は初めて。「僕もどうなるのか見当
がつかず、面白いと思った。二つ返事で引き受けた」と語る。
農業が嫌いで田舎を飛び出した百子(多部)。ロリコンの中年男(山崎一)の援助を
受け、東京で暮らし始めるが、大衆を扇動するボランティア活動家(吹越満)やセラピ
スト(江本純子)に洗脳され、変貌(へんぼう)していく。ナボコフの小説「ロリータ」
を意識して書かれた戯曲について、松尾は今回の公演チラシに「少女を想(おも)う中年
男のみじめな恋と、ファシズムに関する思索が交錯する斬新なアプローチの舞台」と書
いた。
「野田さんの戯曲は引用でイメージが膨らみ、情報量がすごい。中年男と少女の愛を
モチーフに社会全体のことも語りたかったと思うが、僕は逆に、社会を口実にして、中
年男の嫉妬(しっと)や薄汚い思いを描きたい」
初演では中年男を野田、百子を深津絵里が演じた。より年の離れた2人が演じること
で、中年男の物悲しさを際立たせたいと言う。
「社会や時代よりも人間の内面を表現したいと思うのは僕の資質かな。小さな小さな
話にすることで、内側の宇宙が広がればいい」
舞台経験の少ない多部を抜てきしたのも松尾。「映像で培った小さな表現を持ち込ん
でくれるとうれしい」と期待を込める。百子はアダルトビデオに出演するなど隠れた一
面も併せ持つが、「純粋じゃない所も見せつつ、すごく純粋。うそ偽りがない」と多部
。複雑な役柄に戸惑いながらも、体当たりで取り組んでいる。
初演は、向かい合った客席の間に設けた舞台と簡素な装置、スピーディーな展開が印
象的だった。松尾は「客席を対面式にすると、初演と似たものしか作れない。象徴的な
オブジェやパントマイム的な動きを使い、けいこ場で皆で作った感じを、そのまま舞台
に持って行きたい」と意気込む。
松尾独特の笑いが、野田戯曲の中でどう生かされるか。
松尾は「山崎さんも吹越さんも昔から一緒に芝居を作ってきた仲。けいこをしながら
、その笑いの感覚をどんどん思い出している。それを多部さんにも共有してほしい」と
話している。(電)03・5985・1707。
(2010年2月24日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20100224-OYT8T00770.htm
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