[彼女] 「excite music (KissHug)」interview
http://www.excite.co.jp/music/close_up/0807_aiko?c=interview
Excite: ニューシングルのタイトル曲「KissHug」は、aikoさんにとって初めての映画
挿入歌となりました。
aiko: 私が一番ビックリしてますね(笑)。映画の挿入歌っていうのはもちろん、
アルバムからこんなにすぐシングルをリリース出来るって事にもビックリで
。
Excite: 劇中ではすごく良いシーンで流れていて、主人公の牧野つくしちゃんの心情
をしっかり描き出していると、既に評判です。
aiko: 嬉しいですよねぇ。この曲なら、好きな相手の事を真っ直ぐに想っている気
持ちを表現出来るなって思ったし、映画の中ではどんなシーンで流れるかは
分からなかったんですけど、もしかしたら、つくしちゃんに重なるところが
あるかもしれないなぁって思ったりもして。私は映画をまだ観れてないので
、早く映画館で観たいと思います(笑)。
Excite: 切なさもありつつ、でもとてもシアワセな歌詞ですよね。
aiko: ずっと年を重ねて一緒に居られた今も切なくあなたを想う、という気持ちの
歌。「好き」と何回重ねて言われても、やはり出逢った頃と同じで、不安な
気持ちはなくならないんですよね。でも時間というものが色んなものを埋め
てくれることもあるし、何よりも自分の想いが強くなったことで超えられる
ものもあるっていう、そういう歌なんです。
Excite: 基本的に女性目線で描かれてはいるものの、<背中と背中を合わせて>とか
<突然唇に触れた唇>とか、同じ単語を重ねることでちゃんと対象となる相
手の姿もしっかり浮かんでくるのがすごいなぁって思いました。
aiko: 今回は、一緒に歩いてる感じをすごく伝えたかったんですよね。身長だった
りとか、色んなものが違っている二人だけれど、見つめ合ってる瞬間とか一
緒に歩いている瞬間とかっていうのは、一つのかたまりになれていると思う
んです。なので、言葉からちゃんとその二人の姿が浮かぶようにしたくって
。
Excite: aikoさんのその想いはタイトルにも込められているような気がしますね。
aiko: ホントそうですね。すごく一つになっている感じがする、あったかいけどド
キドキする言葉だなって思います。きっと好きな人とキスする時は、こうい
う形なんだろうなって思うし。それにね、シングルのタイトルで英語を使っ
たのは初めてだから、そういう意味でも自分の中では凄い事でもあるんです
よね。
Excite: アレンジに関してはどうですか?すごく心地良い仕上がりだと思いましたが
。
aiko: ちょっと湿度があって、涼しくなったり暑くなったりする夏の風が、サビに
向かうに連れてどんどん強くなっていく感じになりましたね。で、自分とし
てどうしても入れて欲しかったのは“メロトロン”(鍵盤を押すことによっ
て、音階で録音されているテープ音源を再生する鍵盤楽器)の音なんですよ
。あのちょっと古めかしくあったかい感じが、昔と今を行ったり来たりする
感じが出るんじゃないかなって思ったので。
Excite: なるほど。そこでも愛する二人の歩みが表現されているわけですね。
aiko: そうそう。イントロのピアノのフレーズなんかも、自分の中で回想している
感じというか、過去を振り返りつつ、今に戻ってきてやっぱり愛おしく思っ
ているみたいな感じが出せたんじゃないかなって思います。
Excite: そして今回もまたカップリングには2曲が収録されていて。まずはミディアム
テンポの「線香花火」ですね。
aiko: ちょっと切ない恋の歌です。好きな人のことを引きずりながらも、夏が終わ
ると共にちゃんと前を向かなくてはいけないなと思っている気持ちを歌いま
した。
Excite: 線香花火に自分の感情を重ねているところがaikoさんらしいところで。
aiko: やっぱりいつも重ねてしまうんですよね、色んなものを全部(笑)。線香花
火って、儚くて悲しいイメージが強いけど、でもすごく熱くて強いでしょ。
だから、そういうイメージで、好きだったから強がってぶつかっていじわる
しちゃったけど、それが落ちてしまった今となっては儚くて切ない…みたい
な、そういう部分を重ね合わせたんだと思います。
Excite: 伸びやかで強い意志を感じさせる歌声がすごくマッチしていますね。
aiko: ツアーのリハーサル中に録ったので、「強く歌いたい」っていう気持ちがい
つもより出ている気がしますね。自分自身、色んなことを振り返りながら歌
ったので、切なくもあり、でも歌うことでそれが少し浄化されたりもしまし
た。サウンド的に気持ちが良いので、その輪に入るように、とても楽しく歌
う事が出来ましたよ。
Excite: で、もう1曲は「水とシャンパン」というシャッフル系のナンバーが。
aiko: 同じ液体っていうカテゴリーでも、水とシャンパンが全然違うものであるよ
うに、あなたと私の気持ちも違っていたんだなっていう曲です。これを作っ
たのって実は10年くらい前なんですよ。ずっと好きな歌だったので、念願叶
ってシングルに入れる事が出来ました。
Excite: すれ違い始めたお互いの心を描いている歌詞がとても悲しくて切ないんです
けど、聴き心地としてはどっぷり重い感じにはなっていませんよね。
aiko: そうですね、うん。アレンジが明るいので、そういう歌詞でも大丈夫みたい
な(笑)。それに、好きだった人の事を懐かしく愛おしく思う事も今の自分
にとっては大切な宝物です、っていう終わり方にもなっているので。
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