[彼女] 「WHAT's IN? WEB」aiko特集2 interview
http://www.musicnet.co.jp/whatsin/article/080326_aiko2.html
特集2:最新シングル「二人」&アルバム『秘密』に関するインタビューを。
aikoの8thアルバム『秘密』と、ひと足先に届いた最新シングル「二人」に関するイン
タビュー。デビュー10周年を迎える気持ちや、アルバムに映し出されたaikoの心の深い
部分について、たっぷり聞きました。
心の内側の、すぐには見えないとこをガリガリって剥いだ気がする。だから『秘密』な
んです
──すでにいろんなところで言われていると思いますが、早いもので今年でデビュー丸
10周年。
aiko そうなんですよ。デビューしたときは、まさかこんなにたくさんCDを出せるなん
て思ってもいなかったんで。だから「10周年ですね」って言われて振り返ると、「えー
、もうそんなに経ったんや。10年って言ってもすぐやなー」って思うんですけど、よく
よく思い返すとそうでもなくて。
──やはりズッシリとくるものが。
aiko あった、あった。1年1年がすごく濃いですね。まったく曲が出来ない、みたいな
ことはなかったですけど、そのつど些細だけど自分にとっては大っきい壁にぶつかりつ
つやってきた気はするので。
──例えば、どんな壁がありました?
aiko 大阪から東京に引っ越したこととか、それによる環境の変化とか。私、自分のテ
リトリーから出るのが苦手だったりするんですよ。曲を作る工程の中では、新しいもの
にチャレンジするのにも臆病になりがちだし。なので人からしたら「なんで、そんなこ
とで!?」っていうようなことが壁になったりするんです(苦笑)。
──基本、心配性だったり。
aiko そう。いらんことまで気にして、ひとりで消耗するタイプ(笑)。
──最新シングルの「二人」も、そういうaikoがストレートに出ている曲だと思いまし
た(笑)。
aiko でしょ。ホントに些細なことを大事件にしてしまうほうやから。で、勝手に想像
して妄想して落ち込むっていう。そいうとこが、この曲にはすごく出ましたね。
──でも「二人」は、恋に落ちる瞬間をすごくリアルにデリケートにとらえた曲だなと
。
aiko 人を好きになる瞬間って、すごいパワーを使うじゃないですか。しかもそのパワ
ーの使い方って10代の頃も今もまったく一緒やなぁと思って。その想いを全部切りとっ
て曲にした感じですね。だからやと思うんですけど、この曲を歌ってると、過去の自分
と今の自分が一度にブワッと浮かんでくるんですよ。
──またこの曲、歌詞のデリケートさに反してサウンドが勢い一発的な感じなのも、い
いですね。
aiko そうそう。心の中にある一瞬一瞬の切ない気持ちから、どうにかして抜け出した
いと思ってる歌詞なので、駆け抜けてく感じのサウンドがいいなぁと思ったんです。こ
の曲は、ライブで早く歌いたくて。ライブで暴れて歌ったら気持ちいいだろうなって。
──そして今回のシングルは、カップリング曲の「ひまわりになったら」も超話題作の
ようで。
aiko 昔からのファンの子たちが、すごい盛り上がってくれてて。この曲、インディー
ズで一回リリースしたきり、そのあといろいろ事情があってライブでもあまり歌ってな
かったんですね。でも去年、大阪のライブのダブル・アンコールで久しぶりに歌ったら
、イントロ聴いただけで、もうみんなが泣きだしてしまって。男子まで号泣してたんで
すよ。それを見たとき、この曲は私の知らないところで、本当の意味で理想的に育って
くれたんやなぁと思って。改めて私の中で特別な曲にもなったので、今回収録すること
にしたんですけど。すーごい早口で歌わんといけない曲やから、かなり歌うのは大変だ
った(笑)。
──その「二人」に続いて、4月2日には8枚目のアルバム『秘密』もリリースとなりま
すが。
aiko なんか今回は、より1対1の感じが強いアルバムになったような。“陰”と“陽”
で言うなら、”陰”の気持ちがたくさん曲になったというか。人に言えないことを言葉
にして歌った、みたいな。
──いつもそうではあるけれど。
aiko うん、そうなんやけど、いつも以上に心の内側な感じ。内側の、すぐには見えな
いとこをガリガリって剥いだ気がする。だから『秘密』なんですよね。
──より深く、より濃く、みたいな?
aiko そう。ホントに今回のアルバムは濃いんですよ。濃すぎやしないかってドキドキ
するくらいに。
──それくらい言いたいことが強くあったとも言えます?
aiko それはありますね。だから歌詞を書くときも、すごい集中して書いてました。な
んていうか、書きたいことが頭ん中にまとまってあった感じなんですよね。あとはそれ
を一気に言葉にすればいいっていう。
──ディープなことを歌っているにもかかわらず。
aiko そうなんですよ。“秘密”な感じのことなのに、いざ言葉にしようとしたらブワ
ッと書けたから。それは自分でも不思議なくらいやった。
──その辺りが前作の『彼女』と違うところだったり?
aiko そう……かもしれない。言い方が難しんやけど、1曲1曲が重たいというか、ディ
ープというか。1曲1曲にストーリーがあって、1曲完結してて。そのギュッと凝縮して
るとこが、いつもより強いかもしれない。
──そのぶんパーソナルな部分がより前に出てきてる気もしました。
aiko あー。そう、かも……。
──「二人」や「シアワセ」もそうですけど、“妄想・連想aiko”爆発というか。どう
しても気持ちの裏の裏の裏まで考えてしまう的なことが、ディテールまで歌われてるな
って。
aiko わかる、わかる。ビビリなとこ、出てますよね(笑)。私、すごい無駄な動きをい
っぱいしてるんやと思うんです、恋愛面でも仕事とかの人間関係でも。なんか変なとこ
、“ヘンコ”やから。だってデビューのときからのスタッフにも、「お腹すいた、ご飯
食べに行こー」とかって電話できない。
──遠慮しちゃう?
aiko いや、遠慮とかとは違うんですよ。いったらあかんと思ってる、というか。
──そんなふうに甘えちゃいかん、と思う?
aiko そう。
──じゃ、誘われればいいわけですね。
aiko ううん。それも疑心暗鬼。本当は早く帰りたいのに、私を不憫に思って誘ってく
れてるのかもしれん、申し訳ないって思う。
──これは重症だ(笑)。
aiko でしょー。もうしょうもないくらいビビリなんですよ。そういう私も濃く出た『
秘密』ということで(笑)。ぜひ、ひとりの時間に聴いてほしいなって。どう見ても、パ
ーティ向きのアルバムではないので(笑)。
インタビューと文:前原雅子
[2008.3.26更新]
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aiko Official Home Page
http://aiko.can-d.com/
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