[情資] au one ミュージック特輯
神を挑発する、死神の遠吠えのように
http://music.auone.jp/ja/sv/au/MC_FeaturePC/1189370593787/
Gackt28枚目のシングル「Jesus」が1年半ぶりにリリースされた。バンドサウンドを強
く意識したスピード感溢れるメロディに、硬質でメタリックな色の音。死神が神を挑発
するさまを描き、前作とはガラリと趣を変え破滅的で退廃的な印象に仕上がった。ツア
ーに向けて絶賛調整中という氏に、今作の解説をお願いした。
> ─ 1年半ぶりのシングルはどんな過程で作られたのでしょうか。
Gackt：実は途中で方向性が変わったんだ。映画(2009年公開予定のハリウッド映画『
BUNRAKU』)の出演依頼をきっかけにそれまで考えていたライブのアイデアを一旦すべて
白紙に戻してね。撮影先のルーマニアで、ファンの予想を裏切る内容にしよう、じゃあ
2001年のЯRツアーを今もう一度やったらどうかと思いついて。それで改めて、4月頃か
らこの曲も含めたアルバム作りを始めたんだ。
> ─ 前作と違うスピード感が感じられますね。
Gackt：次回のアルバムは、アグレッシブロックやラウド的な激しい曲が多いんだ。そ
れで代表曲としてこの「Jesus」を選んで。1年半ぶりのシングルなら激しくてもいいん
じゃないかって。
> ─ 神というタイトルなのに、詞には辛さや悲しみが滲んでいますね。
Gackt：神を挑発してる曲だからね。もしお前がそこにいるのなら答えを教えてほしい
っていう、破滅に向かうネガティブなパワーの曲。死神ソングなんだよ、僕のイメージ
だと「死神の遠吠え」みたいな（笑）。
> ─ 音もメタリックで硬質な印象があります。
Gackt：今回は弦楽器をあまり使わず、とにかくバンドサウンドにこだわった。音を聴
いた時に、どこに誰がいて何を弾いているかを見えるように。例えば、一本のギターの
音を作る時はいつもトラックをたくさん重ねるんだけど、音がぼやけないようにぶ厚い
ギターの音像が見えるようにした。音と音が被らないように密度をあげて圧縮していく
感じかな、身の詰まったバームクーヘンみたいにね。
> ─ なるほど。調整がとても大変そうですが‥‥。
Gackt：ミックスにすごく時間をかけたんだよ。十数時間ミックスしてやっとOKを出し
た物を、またやり直して足りない部分を埋める。それを3、4回はやったかな。人の聞こ
えない周波数まで鳴らして、曲を聴くとなぜか不安感が掻き立てられるサブリミナルな
作りにしてあるから、強く激しい音だけど人の真意に触れるんだよ。
> ─ では、制作にはどれくらいかかったのですか？
Gackt：シングルだけで1カ月丸々使ったかな。映画の撮影中もデータのやり取りをして
いたから。
> ─ 何か制作上に、撮影から受けた影響はありますか。
Gackt：具体的にはないけど、ルーマニアの街の退廃的な空気や戦争の傷跡はテーマに
大きく影響したね。戦争における生と死、死を通して見た人の空しさや汚さや浅ましさ
を描いているんだけど、やっぱり向こうは日本では感じられない物を与えてくれるから
。PVからもそんなストーリーは感じられると思うよ。
> ─ ツアーも始まっていますが、ファンの方に一言お願いします。
Gackt：「気合い入れてこないと心臓止まるよ」って感じかな。楽しみにしてくれるの
はいいんだけど、興奮しすぎて1曲目で気を失うファンの子もいるんだよ。そんなもっ
たいないことすんなよって（笑）。最後までしっかり堪能してくれると嬉しいよね。
> ─ 最後に12月ということで、今年ハマった物を教えて下さい！
Gackt：ハマってるというか、今はツアーに向けての合同トレーニングをしてるかな。
胸に10キロの錘を抱えての腹筋なんて軍隊の訓練みたいな筋トレ。考えただけでもゾッ
とするでしょ。メニューは僕が組んでいるんだけど、みんなよくやってるよなーって思
う（笑）。
> ─ それはもう、見に来る側も気合いを入れないといけませんね。
Gackt：そうそう。だから気合い入れて観に来て欲しいね。
text by Sanae Kimura
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