[舊聞]医療ドラマ、現実路線「Tomorrow」「コード・ブルー
医療ドラマ、現実路線 「Tomorrow」「コード・ブルー」 2008年7月31日
http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY200807310141.html?ref=recc
【朝日新聞社】
地方の医療を主題にしたテレビドラマが話題だ。巨額の赤字を抱える自治体病院を描く
TBS系「Tomorrow」(日曜夜9時)と、地方で切実に求められている救急医
療体制を扱ったフジ系「コード・ブルー」(木曜夜10時)。現実の厳しさが物語に色
濃く反映している。(大室一也)
◇
「Tomorrow」は海辺の街が舞台。身近な市民病院は30億円の赤字を抱え、
医師の確保はままならず、診療科も減っている。主人公の森山航平(竹野内豊)は8年
前、医療ミスで大学病院を辞め、市役所で働いていたが、病院の窮地を救おうと再びメ
スを握る。
副市長役で出演する陣内孝則は、約3年前、九州にいる父親が脳梗塞(のうこうそく
)で倒れた経験を持つ。「近くのなじみの病院に名医がいて、父親は助かった。自治体
病院はどこも何十億の負債を抱え、経費を削減し、今、地方に医者がいない。そんな実
情に切り込んでいる作品」と話す。
「コード・ブルー」は、関東の救命救急センターに勉強に来ている若い医師たちの群
像劇。このセンターは、医師を乗せて患者の元に飛ぶドクターヘリを運用している。藍
沢耕作(山下智久)や白石恵(新垣結衣)らが、ヘリに同乗する医師(フライトドクタ
ー)を目指す。
ドクターヘリは昨年、自治体に導入を促す特別措置法が制定され、医療過疎地域で救
命効果の高い手段として注目されている。「医療環境が厳しい中、フライトドクターは
攻めの姿勢を崩していない」とフジテレビの増本淳プロデューサー。その攻めの部分を
ドラマに仕立てた。
「Tomorrow」「コード・ブルー」とも、ブラックジャックのような神業を見
せる医師は出てこない。医療ミスを犯したことがある医師や、医学部受験に失敗して看
護師になった女性など、暗い過去や挫折を持った人物も登場する。舞台も最果ての離島
などではなく、日本全国に普通にある地方都市だ。
現実の医療崩壊はドラマの先を行っている。「Tomorrow」の伊與田英徳プロ
デューサーは言う。「こうなったらいいという結論は僕らには書けない。毎回毎回見せ
場がある。その先にある医療を、視聴者の皆さんに考えてほしい」
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