[新聞] 小栗旬、俳優より監督をやりたい?
9月10日6時30分配信 オリコン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090909-00000022-oric-ent
『花より男子 ファイナル』『クローズZERO』シリーズ……、主演作が途切れることな
く立て続けに大ヒットしている俳優の小栗旬。2010年には26才にして初めて監督を務め
る映画も公開される。そんな小栗の最新主演作は、芥川龍之介の『藪の中』を原作にす
る時代劇『TAJOMARU』。まさにいま“時代を駆ける”小栗に話を聞いた。
◆“TAJOMARU”と小栗旬の共通点
──絶対に女を捨てない?
【小栗】 そういうふうにしているつもりですけど(笑)。でも(劇中で演じる)直光
のように、ここまでひとりの人を愛せるかといわれたら正直わからないですね。
──おのれを曲げない?
【小栗】 努力しております(笑)。僕らの仕事は、ある意味で妥協の連続のようなと
ころもありますけど、極力そうしたくないと思って生きていますし、自分を殺してまで
演技を続けなければならないなら、無理してこの世界に居座っていたいとも思いません
。
──どこまでも自由に生きる?
【小栗】 まあ、自由にやらせてもらっていると思いますよ(笑)。(信念は?)自分
自身を貫くことですね。映画での表現は、その人の生き様をみせるしかないと思うんで
すよ。自分がどういう人生を生きているかということを、自分という道具を通して人に
ぶつけるものだと思います。僕は頭で考えるタイプの俳優で、すごく理屈は考えるんで
すけど、最終的には理屈じゃないと感じているところもあります。
◆カツラも飛ぶ激しい撮影
──今回の撮影中にカツラが飛んだと聞きました。
【小栗】 松方(弘樹)さんと(柴本)幸ちゃんとのシーンの撮影中に、ドーンってカ
ツラが飛んで(笑)。僕のほうの映像は何があっても使えるワケないじゃないですか。
でも、目の前でふたりが一生懸命演じていましたから、迷惑かけちゃいけないと思って
、ずっと下を向いて笑っていました。いつになったらカットがかかるんだろうと思って
いたら、そのままシーンが進んで、助監督が「カット、OK」って。ビックリしましたね
、OKなんだって(笑)。
──時代劇は難しい?
【小栗】 時代考証をすごく気にする人もいますけど、実際には誰もみたことのない世
界であって、それを演じるのはとてもファンタジーだなと感じています。いまのリアル
を切り取るのとやれることが全然違います。そこが時代劇のおもしろいところだと思う
んですよね。そんな世界を作るのはとても夢があります。
──今作で役者人生が終わってもいいとおっしゃっていたとか。
【小栗】 僕はけっこう頭で考えるタイプで、没頭したくても自分でブレーキをかけて
しまう瞬間があって、爆発的な集中力とエネルギーをもっている俳優さんにずっと憧れ
ていました。同世代でいえば、山田孝之さんとかそういうタイプで、自分もそうなりた
いと思っていたんですけど、それに近づけたんじゃないかなと思った瞬間があって。ス
タートがかかってから体を動かしたのは覚えているんですけど、気が付いたら終わって
いたことがありました。本当に役に没頭できて、自分のなかでいままで超えられなかっ
た壁を少し飛べたのかなって思えた瞬間でしたね。役者としては最近集中できていない
自分を感じていたので、今回のそこまで集中できる環境をいただいたことは幸せなこと
だと思いました。
◆映画監督、制作者側に立つことへの思い
──多くのオファーのなかから出演作を選ぶときの基準は?
【小栗】 台本を読むと、この役をほかの人にやられたくないと思ってしまって。それ
で結局忙しくなって自分の首を絞めていっているんですけど、最近はブレーキをかけて
、ちゃんと作品や役柄を見極められる目をつけていきたいなと。仕事の話があると全部
やりたくなってしまうんですけど(笑)、そうするとかなりしんどくなるので、一本一
本をより大事にやっていける環境にしたいと思っています
──活躍の場にはこだわらない
【小栗】 基本的に舞台が好きなので、演劇を主にしてやっていきたいというのが自分
のなかにあります。映画は、子供のころから大好きだったので、一生のうちに一本、す
ごい映画に出演したいと思っています。でも自分の作品の評価がどうなるかって、もっ
ともっと未来にならないとわからないですからね(笑)。ドラマに関しては、一歩踏み
出す勇気がなくなってきてはいますね。皆さんがみたいと思うドラマを作るためには、
僕ら作り手がもっともっと人生をかけないといけないと思うんですよ。
──俳優より監督をやりたい?
【小栗】 ……わからないですね。ただ、昔からなんですけど、たまたまいま注目され
ているだけであって、自分をあんまりおもしろい芝居ができるタイプだとは思っていな
いんですよ。だから、もっとおもしろいお芝居ができる俳優さんたちにおもしろい環境
を提供して、それを撮るのが自分だったら最高っていう考えがあって。40~50才になっ
たときに、あの監督の作品に出たいって思われるようになりたいという思いが、けっこ
ういまは強いかもしれないですね。そのための勉強をしている感じです。今回初めて撮
った映画も、大きなことになってしまったんですけど、できれば本当は小さなところで
やりたいと思っていて。やってみなければわからないことのほうが多いので、少しずつ
やってみて感じて、将来的にそういうことをすべてクリアできるようにしたいなと思う
んです。
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