慶應ジャーナル 輝き人!NO.74 倉木麻衣 後半
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輝き人!NO.73 倉木麻衣 / Mai Kuraki 後半
今回は歌手の倉木麻衣さんのインタビュー後編をお届けします。
前編はこちら。http://keio-j.com/article/mai_kuraki01/
─PROFILE-
倉木 麻衣
1999年12月8日、『Love, Day After Tomorrow』で日本デビュー。同作よりミリオンヒ
ットを立続けに記録し、1stアルバム『delicious way』では400万枚を突破、日本を代
表する女性シンガーとなる。CD TOTALセールスは2,000万枚を突破、デビュー以来シン
グル41作全てがオリコンTOP10入りしており、ソロアーティスト歴代1位記録を更新中
。4月12日、劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』主題歌「渡月橋 ~
君 想ふ~」をリリース。
また、音楽活動と平行して東日本大震災や熊本地震の復興やカンボジア寺子屋支援など
、社会活動にも積極的に参加。その活動が評価され、2016年2月公益財団法人日本ユー
スリーダー協会選出の第7回若者力大賞「若者力大賞」を受賞。
音楽を通じて社会貢献のためにも発信していきたい。
─音楽を通して世界を少しでも変えたいという思いはあったりしますか?
そうですね。「MOTTAINAI」という言葉を提唱したワンガリ・マータイさんと対談させ
て頂く機会があって、自然を大切にした歌を作って下さいというきっかけを頂いて実際
に作ったり。そうやって環境について歌ったものを作らせて頂く中で、どんどん音楽を
通じて社会貢献のために発信していきたいと思うようになりました。東日本大震災を経
て自分にできることはなんだろうって模索したんですけど、やっぱり寄り添える歌を作
るべきだと思って、チャリティーソングを作らせて頂いたりして。
あとは、国際協力広報プラットホーム「なんとかしなきゃ!プロジェクト」の一員とし
て参加させて頂いているのですが、まだまだ教育が受けられない場所があるという現場
に触れてみて、学びの場としての寺子屋を建てたいと思ったんです。まだまだ村に学校
がない、でもこんなにも夢を持って頑張っている子どもたちがたくさんいる。なんとか
して寺子屋を建てなきゃと思って、ファンの皆さんに呼びかけて募金活動をして、去年
の2月に建てることができました。
私は歌手になる夢は叶えたけど、人との出会いによって夢がどんどん広がっていますね
。ずっと歌手を続けていくことは大変な事でもあるのですが、前進していくのがやっぱ
り大事だなと感じますね。
─震災のことについて聞いていきたいのですが、被災者の方にとって音楽って必要とは
言えなくて、むしろ物品の提供や住宅の完備だとか、そっちの方が大事かなと思うので
すが、どうして音楽で何か貢献したいと思われましたか?
全部大きく捉えてしまって、あれもこれもとなると難しいと思うんですよ。だけど、自
分ができることで何か力になりたいって思ったんです。私は被害の大きかった女川町に
行ったのですが、私の音楽で皆さんの怖い思いや不安が少しでも癒されたら良いなと思
って。その後、チャリティーソングを作ったりもしました。
実はお話の通り芸能人が動くことで現地の方にご負担をかけるということもあるかと思
って、事務所のスタッフとも相談して半年くらい経ってから行ったんです。始めは歌を
歌うだけではなく炊き出しをしたり、Tシャツやタオルなどの物品を持っていきました
。
─多くの人が他人事のように捉えがちな震災において、倉木さんが被災地に応援しに行
きたいと思う源はなんですか?
ファンの方が待っていて下さいますし、自分が動くことで色々な方が賛同して下さるん
です。それはありがたいことですし、今までお世話になった方々に感謝の思いを届けた
い気持ちもあるんですよ。音楽の力は大きいので、歌を通して少しでも被災者の方の支
えになりたいと思いましたね。
─震災の支援をされて、反響はいかがでしたか?
それが嬉しいことに、私が動くことでファンの方も復興活動に積極的に取り組んでくれ
るということがあって。ボランティアで木を植えて防潮堤を作らせて頂く活動に参加し
たのですが、一緒に手伝って下さる方もいたんですよ。
もともと小学生の時から街をきれいにするボランティア活動に興味を持っていて、3Rを
実践しているような子でした。私がきっかけとなり社会活動を知って頂ければと思いま
すし、そこでスマイルを繋ぐのが好きなんです。
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大好きなものを自分の中にしまい込んでいたらもったいない!!
─音楽を通じて社会に貢献されたいという気迫が伝わってくるのですが、倉木さんにと
って音楽は仕事ですか?それとも、好きな事ですか?
好きな事です。好きでないとここまで続かないと思います。ドキドキしたり、ワクワク
する気持ちはずっと続けられる源でもあると思うので。
長年続けていくと煮詰まってくることもあるのですが、音楽が大好きというルーツが私
を支えてくれていて、歌が上手くなりたいとか、色々な曲を発信したいと思えるんです
。あとは、ファンの皆さんが支えてくれているというのも大きいですね。だからこそ、
ファンの方への責任はありますし、皆さんに喜んで頂ける音楽を出していけたら良いな
と思います。
─好きなことを趣味として置いておきたいとは思わないのですね。
大好きなものを自分の中にしまい込んでいたらもったいない!!
“音楽”は“音”を“楽しむ”と書きますよね。倉木麻衣の音楽を皆さんに聴いてもら
って、好きだと言って下さる方と一緒に楽しみたいと思います。皆さんのストレスだっ
たり、悩みや苦しみが私のライブで解消されたら良いんですけどね。
─倉木さんにとって人生を大きく左右した出会いは、いつどのタイミングでしたか?
色々な場面でありますね。まずはチャンスを掴んだ16歳の時です。一本のデモテープを
気に入って下さる方がいて、歌手になれました。あとは先ほども言いました、ワンガリ
・マータイさんとの出会いを通じて、音楽の影響力を改めて知った時ですね。それ以外
にもたくさんあります。
─歌手としてここだけは譲れない核となる部分はありますか?
制作ですね。0からスタートの曲作りでは、持っている術を全て活かしてスタジオに全
力投球しています。
─これまで作られてきた音楽はどう変わってきましたか?
デビューの時はR&Bテイストの曲が多かったのですが、ロックがありバラードがありと
変わり。ライブスタイルもバンドメンバーとダンサーさんから、80名のオーケストラと
一緒にやるようになったり。出会いや環境によって、どんどん変わっていっています。
─楽曲制作のゴールはどちらに置いていますか?
聴いて下さる皆さんが楽しんでもらえる、ワンフレーズでも何か感じて頂いているのが
分かった時に作って良かったなと思います。
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素の自分も見せて行きたいです。
─就職活動があると企業の看板を借りて仕事をするというイメージが付きがちなんです
が、倉木さんは自分の名前で仕事ができることについて何か思うことはありますか?
倉木麻衣のゴールはどこか分からないのですが、永久にこれだというものがなくてずっ
と自分探しをしている感じです。お陰様で企業とのコラボなど出会いによってどんどん
進化しているなとは思うんですけど。例えば、『名探偵コナン』の主題歌を担当させて
頂いているのですが、去年で放送20周年を迎えたんです。コナン君もどんどん進化して
いるので、私も負けじと進化して、新しいコナン君の世界観を作って行きたいと思いま
す。
─世間が作った倉木麻衣とご自身とのギャップを感じる時はありますか?
デビュー当時はあまりメディアに出なかったこともあり、少ない情報で倉木麻衣像が作
られていたと思います。ミステリアスだとか、大学に通いながら歌手をしていたので優
等生だとか。でも、当時の自分は思春期ということもあり、全然優等生じゃないのにっ
て葛藤する部分もあったりして。
今でこそ多くの機会を頂き皆さんの前に出るようになって本来の姿とのギャップは小さ
くなったかと思いますが、倉木麻衣のイメージはその人の好きなように描いてくれれば
良いのかなと思います。むしろ、そのギャップがあるからこそ面白いものができますし
、私も新しい自分を発見できるんです。テレビのトーク番組にも出させて頂いて、ちょ
っと天然ボケと言われるようなところなど少しずつですけど、今まで見せてこなかった
素の自分の一面も発信していきたいと思います(笑)。常に自分とのギャップを楽しみ
ながら歩んで行けたら良いですね。
─そのギャップがつらい方もいるかと思うのですが、倉木さんは違うのですね。
そうですね。倉木麻衣というアーティストをファンの方も賛同してくださり、すごくリ
ラックスして発信させて頂いています。私の音楽がこの先の出会いによってどんどん進
化していくのを楽しみに、ワクワクしながら作っていけたら良いですね。
─倉木さんとしては、どんなイメージでありたいと思いますか?
私が放った楽曲に対して、皆さんなりに倉木麻衣のイメージを楽しんで頂きたいです。
私はこうだってこだわるよりかは、やはり皆さんそれぞれがご自由に解釈してもらえれ
ば良いと思っていて。希望を繋いでいける歌い手でいたいですし、色々な方と共有して
いきたいと思います。
─不安定な世界にいて、将来の不安に悩まされることはないですか?
お陰様で本当にたくさんのファンの方が待っていてくださるので、そのうち誰か一人で
も何か感じ取ってくれればという気持ちでやっています。でも、聴いてくださる方が一
人もいなくなったら、もうやれないですけど(笑)。
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「Wake me up」と「always」、「TRY AGAIN」を聴いてください。
─今後、僕たちは倉木さんのどういったところに注目していけば良いですか?
色々なライブをさせて頂いているのですが、社会貢献を交えながらライブも変わって行
っているので、皆さん一緒に少しでも賛同して聴いて頂ければと思っています。そこに
注目して頂きながら、私は自分にできることを探って発信していきたいなと思います。
─今後の目標をお聞かせください。
ライブステージをもっと追求していきたいし、色々なスタイルでやってみたいです。例
えば、色々な楽器とコラボレーションしてみたり。まだ自分でも予想できないものと出
会い、刺激を受けて変化するものを皆さんと楽しみながら、音楽を発信していきたいで
すね。
─10年後の倉木さんはどうなっていると思いますか?
10年後、あっという間だと思います。今と同じようにファンの皆さんとライブを共有し
て、元気を分け合っている倉木麻衣でいられたら良いなと思うんですけど。これまでも
皆さんとその時々でたくさんの思い出を作ってこれたので、これからも皆さんの思い出
に寄り添える身近な存在でいたいです。
─アーティスト人生をかけて達成したいことは?
マイナスに考えている方が少しでもプラスに転じて欲しいです。ひとりでも多くの方が
より気持ちが晴れやかになったり、生きるぞという希望を持って頂ければ良いですね。
そのために私は何度でも歌とHopeを投げ掛けていきたいと思います。
─最後に読者の方に向けてメッセージをお願いします。
就職活動をされている方もいらっしゃるかと思うのですが、自分の夢を持って諦めず突
き進んで行ってください。就活中は特にいろいろあるかと思いますが、上手くいかなく
ても何度もトライしていけば、夢に着実に近づいていくかと思います。
─就活でくじけそうになった時は倉木さんの曲を聴きます!
ありがとうございます。「Wake me up」と「always」、「TRY AGAIN」の3曲を聴いて頂
けたら嬉しいです。
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