アルバム Smile に 生活のすべてを吹き込んだ
【インタビュー】倉木麻衣、アルバム『Smile』に「生活のすべてを吹き込んだ」
2017-02-13 18:00:03
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倉木麻衣が2月15日、『OVER THE RAINBOW』(2012年1月発表) 以来となるオリジナルア
ルバムをリリースする。音楽活動と並行して取り組んできた復興支援やカンボジアでの
寺子屋活動支援をはじめ、アルバムには積極的な社会活動から得た経験が色濃く反映さ
れているという。そしてそれらがボーカリストとして表現力の幅を広げたことに加え、
デビュー作からコラボレートしてきたCYBERSOUNDチームほか、国内外トップクリエイタ
ーの起用がアルバムの音楽的なこだわりを満たしたようだ。
待ちに待った、という言葉がこれほど似合う作品は、めったにない。倉木麻衣、約5年
ぶりのオリジナルアルバム、その名は『Smile』だ。2014年にデビュー15周年を迎え、
華々しい活動を見せたあと、およそ2年間を制作に費やした力作。とはいえ、肩に力の
入りすぎた、重々しい作品ではまったくない。むしろ、その逆。R&B、ロック、ポップ
ス、ダンス、バラードと、これまで以上に幅広いサウンドと、ぐっと表情の豊かさを増
した声。メッセージはあくまでポジティブで、思わず体が動く曲がずらりと揃った、躍
動感いっぱいのアルバム。すべての人に、スマイルを。新しい倉木麻衣が、ここから始
まる。
◆ ◆ ◆
■涙したことがあったからこその
■“スマイル”ということなんです
──お久しぶりです! そして久しぶりのアルバム、楽しみに待っていました。
倉木:今回の『Smile』というアルバムは、5年ぶりになるんですね。
──そうですね。ベスト盤をはさんで、オリジナルアルバムとしては。
倉木:その間にいろんな曲を作っていて、そぎ落として、出来上がったのがこの12曲で
す。最初にテーマを決めるにあたって、今の等身大の自分の思いを、アルバムに詰めた
いなと思ったんですね。カンボジアに寺子屋を作る活動ですとか、今まで音楽以外に活
動させていただいていたことがあったんですけど、東日本大震災が起きてから、楽曲も
変わってきていたんです。“みんな一人じゃないんだよ”という気持ちに変わっていき
ましたし、振り返ってみると、そういう出会いの中で、“笑顔=スマイル”がみんなを
つないできたんだなと感じまして。
──ああ、はい。実感ですね。
倉木:それは単なる笑顔だけではなく、そこにはつらい思いや、涙したことや、いろん
なことがあったからこそのスマイルということなので。その思いを、マイナスからプラ
スに変えられる音楽を作れたらいいなと思って、アルバムのテーマを『Smile』に決め
ました。
──コンセプトを先に決めて、作り始めた。
倉木:そうですね。楽曲的にもより明確になっていて、R&B、ロック、バラードとか、
ジャンルをはっきりさせて、ものすごくバラエティに富んでいると思います。
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──振り返ると、2014年に15周年の記念ツアーが終わったあと、2年間かけてゆっくり
作っていた、という感じですか。
倉木:この2年間は、シンフォニック・ライブ(2015年9月12日)をやったり、ロシアで
もライブをやらせていただいたりしていました(2016年4月18日)。ロシアと日本の文
化交流というテーマでお招きいただいて、マリインスキー劇場という由緒あるホールで
歌わせていただいたのは、すごく大きい出来事でしたね。あとは、中国ツアーもありま
した(2016年9月)。初挑戦で、いろんな場所に行くことが多かったんです。
──日本では、女川でのフリーライブに出演したりもしました(2016年7月10日)。
倉木:そうですね。自分も引き続き、震災の復興に向けてエールを届ける活動をしてい
きたいと思っていますし、カンボジアに寺子屋を、というプロジェクトもそうですけど
、熱い気持ちを持って活動されている方が、日本の中にたくさんいらっしゃるんですね
。そういう方のお話を聞いて、世界を変えていくにはそういう気持ちはすごく大切だな
と思いましたし、そういう思いを歌にしたものもあります。12曲目の「きみへのうた」
なんですけど。
──「きみへのうた」は、まさに、今言われた通りの言葉が歌詞になってます。
倉木:JICA(独立行政法人・国際協力機構)さんの青年海外協力隊CMソングにさせてい
ただいたんですが、自分が体験した思いを歌詞に込めています。アルバムの中で、1曲
でもワンフレーズでも、聴いてくださった方のプラスになるように、スマイルにつなが
るような1曲を見つけていただけたらなと思いますね。制作側としてはいろいろこだわ
って作ってはいるんですけど、アルバムをリリースさせていただいて、解き放った段階
で、それはみなさんの1曲として、スマイルしていただけたらと思います。
──歌詞は、力強く、前向きで、今まで以上に希望あるものが多いと感じてます。
倉木:今回は、よりシンプルになっていると思います。それは音楽以外の、いろいろな
人との出会いによって、シンプルな、ピュアな気持ちというか、音楽ってそういう力が
あると思うんですね。心を洗浄してくれるような力があると思うので。その思いと共に
、120%のピュアな気持ちでアルバムを作って、それをみなさんに聴いてもらいたいと思
っていました。
──はい。なるほど。
倉木:待っていてくださるみなさんのスマイルを思い浮かべながら。ライブに来ていた
だいたみなさん、カンボジアの子供たち、中国の方、いろんなスマイルを思い浮かべて
。歌詞を書いていて、気づいたら1日寝てない、みたいなこともありましたし(笑)。
──えっ。それはすごい。
倉木:倉木麻衣の生活を、すべてアルバムに吹き込んだと言っても過言ではないぐらい
の(笑)。それぐらい、音楽に没頭できる時間を持てましたし、ある意味リラックスし
て作れたアルバムですね。でも悩んで、葛藤して、泣いちゃった時もありますし、何で
うまく歌えないんだろう?とか、何でもっといい言葉が出てこないんだろう?とか、孤
独におちいることもありましたし。特にプライベートの話だと…デビュー当時からずっ
とそばにいて、妹のような存在として育ててきた、キャスパーという愛犬が、去年の11
月になくなってしまって。それが、私にとってはすごく大きくて…こういう場でお話す
べきことではないかもしれないですけど、そういった悲しい出来事もあって、思うこと
もありつつ。人は生き物ですし、今日を一生懸命生きて、笑顔で、悔いのないように過
ごすことが、本当に大事だなと思いましたね。そういう実感がすごく湧きました。
──わかります。同じような体験をした人には、よくわかると思います。
倉木:やっぱり、はかないんですよね。あっという間じゃないですか、1日って。1年も
あっという間で、もしかしたらこれからまた大きな災害が起きて、どうなるかわからな
い。そうなった時に、今まで悔いなく生きてこれたかな?って、考えるじゃないですか
。それを思うと、一番強くなれるというか、今まで悩んでいたことが“何だったんだろ
う?”という感じになれるので。忙しく過ごしていると、見失いがちなことだと思うん
ですけど、それを意識して、1日1日を大切に過ごしていきたいと思うので。それをアル
バムに込めたい!と思って、詞もシンプルにしています。特に「SAWAGE☆LIFE」なんて
、“人生一度きり!”って、そのまま歌ってますし。
──そうですね。
倉木:そういうテーマの曲もありますし、あとは単純に、音に乗ってどんどん気持ちを
上げて楽しんでもらう曲として、「I Like IT」とか「MY VICTORY」とか。
──「MY VICTORY」は、ばっちりですよ。聴いてて、元気しか出ない。ノリノリです。
倉木:ありがとうございます(笑)。チャンスをつかんで前に行こう!という曲なので
。
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■夢をテーマにした歌は
■何度でも投げかけていきたい
──細かい話で恐縮ですが。たとえば「I Like It」で、“イエイ!”“カモン!”と
か、途中で声が入りますよね。あれって、思わず出ちゃったアドリブですか。
倉木:そうです。ライブを意識して歌ったので、気持ちが出ちゃってる感じですね(笑
)。“ないほうがいい”という方もいらっしゃると思うので、少し悩んだんですけど。
でも、溢れる思いは歌にした方がいいと思って、詰め込みました。
──「MY VICTORY」も、“イエイ!”から始まるし。このへんの曲、今まで以上に強く
ライブ感を感じます。
倉木:ライブでぜひ一緒に歌ってほしいですね。気持ちを上げていこうよ!という感じ
で。「MY VICTORY」は、夢をつかんだぞ、という思いで歌詞を書いていったんですよ。
つかめたらいいな、じゃなくて、もうつかんでるんだぞ、というような強い気持ちで。
これから何か勝負しようとしている方だったり、チャレンジしようとしている方には、
ぜひ聴いていただきたい1曲です。
──夢=Dreamという言葉も、すごく多いですからね。倉木さんの歌は。
倉木:目標がなくなったら、明日がワクワクしないと思うんです。明日が見えなくなる
と、希望もなくなって、生きていけなくなっちゃうので。でも、それを持てない時期も
、あったりするじゃないですか。そこを乗り越えて、本来の自分を取り戻してもらいた
いという、そういう思いが入っているので。夢をテーマにした歌は、何度でも投げかけ
て、作っていきたいなと思いますね。“夢と希望”をテーマにして、自分自身もそれに
支えられてきていますし、それはずっとテーマとして投げかけていきたいです。
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──アルバムの1曲目で、『名探偵コナン』の一番新しいエンディング主題歌になって
いる「YESTERDAY LOVE」については?
倉木:去年が『名探偵コナン』の20周年記念だったんですね。数えたら20回もテーマ曲
を担当させていただいていて。デビューする前からずっと大好きなアニメで、どんどん
パワーアップする『名探偵コナン』の世界観と、みなさんの期待感に、私が寄り添える
ようにと思って、サウンド的にも新しいことにチャレンジしました。「YESTERDAY LOVE
」は、言葉数も増やして、ボーカリストとしてはけっこう大変な1曲ではあるんですけ
ど。
──語るように歌うパートがありますよね。サビに入る前のところ。
倉木:そうなんです。あそこは、メロディよりも言葉を優先させて。もっとゆったりし
たメロディだったんですけど、言葉数を優先して書かせていただいて、歌うのは大変で
した。カラオケで歌うのも難しいと思うんですけど、ボーカルをアドバイスするならば
、最初のセクションは、早く感じがちなんですけど、ゆっくりと語り掛けるように歌う
といいと思います。最後の“君が好き!”は、迷わずに、思いを込めて歌っています。
──これはライブで映えますね。早く聴きたいです。
倉木:歌詞自体は恋愛で、新一くんと蘭ちゃんの恋模様プラス、切なさだけじゃなく、
これから気持ちを切り替えて前向きにやっていこうという歌でもあるので。叶わない恋
の切なさと、これからに向けての希望と、そういう心情を描いた1曲になっています。
──あと個人的に、“Change”というワードが、今回多いなと思ったんですよね。「
Make that change」はタイトルからしてそうだし、「きみへのうた」「硝子の微笑」に
も“change”が出てきて、「MY VICTORY」や「My way」にも“変えていこう”“変える
ことができる”というワードがあって。すごく印象的に響きます。
倉木:いい方向に変わりたいと願う気持ちって、誰にでもあると思うんです。そして、
人が変わりたいと思う時ってどういう時だろう?と思うと、今戦っている時、つらい時
、このままじゃいけないと感じている時に、“変えたい”と思うことがあると思うので
。そんな時に“変わっていけるんだ”という歌があると、心の支えになってもらえるん
じゃないかな?って、自分自身にも言っているんですけども。「Make that change」は
、そういう思いで作らさせていただいた曲です。
──「Make that change」は、サウンド的にも相当新しいです。
倉木:そうなんです。今まで以上にギター色の強い、まさにロックな曲になっています
。今まで馴染みがあるのは、R&Bのリズムが多かったんですけども、これはボーカリス
トとしてチャレンジしたい曲ですね。ギターの音色に負けずに自分の歌をどう伝えるか
?と思って、今まで以上に声を張って歌ってみたり、引くところは引いてみたり。テク
ニック的な部分も模索しながら作った1曲ですね。コーラスをつけようかな?と思った
んですが、これは歌一本で行ったほうがいいという、そういうところにまでこだわって
ます。
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■ファンの皆さんと触れ合っていたほうが
■倉木麻衣はパワーチャージできる
──「My way」は。2015年9月のシンフォニック・ライブの時に、新曲として歌いまし
たよね。
倉木:まだリリースしていない段階で初披露して、みなさんがすごく良かったと言って
くれたので、ぜひアルバムに入れたいなと思いました。自分自身のこれからの道として
、希望のある歌なので、『Smile』というアルバムにぴったりだなと思いました。
──「Serendipity」も、約2年前の曲。
倉木:この曲は、旅をすることのワクワク感や、旅先で出会う新しい発見やドキドキ感
を表現する曲にしようと思っていました。自分も何か迷いがある時って、普段の生活か
ら離れてみて、電車に乗って遠くへ行ったりするので。それこそ海外に行ったりして、
自分を客観的に見つめたりとか、そういう生活を過ごさせていただいているので。旅に
よって新しい発見ができるなという、そういうことを歌った曲です。
──たった2年前ですけど、もう声が違うような気がします。新曲の方が声がパワフル
に感じる。
倉木:ありがとうございます。いろんなものを吸収して、アルバムを作れたからかもし
れないですね。いろんな場所でライブをして、みなさんの前で歌うことで、自信をもら
えるんですよ。“自信と希望とをつないで来てる、音楽人生”と言いますか。ちょっと
大げさですけど。
──いい言葉だと思います。
倉木:それが私の音楽生活なので、これからもそうでありたいです。熱い気持ちが胸の
中にふつふつと湧いているので、それを一つ一つ形にしていくまでの活動には、いろん
なことがあると思うんですけど、いろんな夢を形にしていきたいと思っています。その
一つとして、イベントのほうもやらせていただいていて。
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──それは、これですね。『倉木麻衣と自撮りをしよう!全国スマイルキャンペーン』
。1月から2月にかけて、全国の会場でファンと触れ合う企画という。
倉木:そうなんです。初めて自撮りをさせていただくんですけど。以前、『touch Me!
』というアルバムを出した時に、タッチ会というのをやらせていただいたんですけど、
今回は自撮りで、その瞬間を写真に収めることによって、想い出を作っていこうとやら
せていただいてます。これがけっこう難しくて、中には、初めて自撮りをされる方もい
らっしゃるんですよ。どこ見たらいいの?というところからスタートして。手が震えち
ゃったり。
──それは、倉木麻衣が横にいたらそうなります(笑)。
倉木:練習してきてくださったり、優しい方が多いんです。みなさんのおかげでまたア
ルバムが出せます、という思いで、楽しくやらせていただいています。みなさんと一緒
につながりたいという気持ちを、自撮りという形で伝えていきたいと思っています。
──変な言い方ですけどね。倉木さん、ファンの中に飛び込むことを怖がらないという
か、いつも積極的ですよね。こういうイベントの時も。
倉木:ファンの皆さんがいてくださってこその、倉木麻衣なので。ファンの方からパワ
ーをたくさんもらえてます。今となっては、家族ですよね。一緒に育ってきて、小学生
だった子が今や大人になっていたり。
──18年目ですからね。そうなりますよね。
倉木:ファンの方同士が結婚して、お子さんが生まれたりとか。毎年幸せパワーをいた
だくので、本人も頑張らなきゃと思ってるんですけど(笑)。一人じゃないんだと思え
るので、すごくうれしいです。だから、ファンの皆さんと触れ合っていたほうが、倉木
麻衣はパワーチャージできるんです。
──いい言葉です。さあそして、3月からは約2年半ぶりの全国ライブが始まります。タ
イトルが…。
倉木:<Mai Kuraki Live Project 2017“SAWAGE☆LIVE”>です。倉木麻衣のツアータ
イトルは、もじることが多いんです(笑)。アップテンポな曲たちで、まさにみなさん
と騒げるライブにして、一足早く夏を感じてもらえるぐらいの、熱いライブにしていき
たいです。アルバムの全曲プラス、今いろいろと、お楽しみコーナーも考えていますの
で。今お伝えしたいんですけど、サプライズなのでまだ言えない(笑)。楽しみに来て
くれたらなと思います。
取材・文◎宮本英夫
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