[新聞] 紅白歌合戦になぜレインボーフラッグ? NHKに聞いてみた

看板MISIA (MISIA - 米希亞)作者 (Endless World...)時間5年前 (2020/01/29 07:17), 編輯推噓0(000)
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https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/nhk-3.php 紅白歌合戦になぜレインボーフラッグ? NHKに聞いてみた <紅組のトリを務めたMISIAのステージで、LGBTQを象徴するレインボーフラッグやドラ ァグクイーンたちを演出した意味は?> 70回目を迎えた昨年末のNHK紅白歌合戦──最後の最後で、おや? と思ったのは、「 アイノカタチメドレー」で紅組のトリを務めたMISIAの背後にひるがえるレインボーフ ラッグ。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)の象徴とさ れる虹色の旗だ。 舞台ではドラァグクイーンたちがダンサーやコーラスを務め、ゲイナイトに出演経験の あるDJ EMMAや、19年に同性婚が認められた台湾のDJ Noodles(レズビアンを公表)も 登場。ほかの出場歌手たちもステージ脇でレインボーフラッグを振っていた。 画期的だ! と胸が熱くなった。その一方で、紅組司会・綾瀬はるかの「年齢も性別も 、国境さえも愛の力と音楽で越えていきたい。そんなMISIAさんの熱い思いが詰まった ステージです」という紹介だけでは、「意味の分からない視聴者も多かったのでは」と 感じた。 もう少し説明が必要だったのでは? というもやもや感を解消するため、紅白の制作統 括を務めた加藤英明チーフプロデューサーに話を聞きに行った。 ──紅白歌合戦では、それぞれの歌手の演出はどのように決めていくのか。 アーティストの1年を締めくくる歌唱シーンをどう演出していくかについては、NHKから 積極的に提案することもあれば、出演者サイドからアイデアが出ることもある。本当に 千差万別で、「全体的にこうです」とは言いにくい。 アーティストが表現したいもの、その年に歌いたい曲、僕らが歌ってほしい曲っていう のはそれぞれ違う。丁寧に話し合いながら進めていくというのが、正しい説明ですかね 。 ──11月中旬に出演歌手の発表があるが、それ以前から「内定」の形で交渉し、演出に ついても考え始めている? オフィシャルには11月中旬の正式発表の直前に出演交渉していることになっているので 、いつから何を議論しているのかは、ちょっと言いづらいんですが......まあ、基本的 には歌手発表の後に、どういう演出にするかを議論しています。紅白って比較的短時間 で一気に作る番組で、それまではスタッフもみんなレギュラーの番組を抱えている。紅 白が近づいてくると一斉に参加して、担当のアーティストを決めて、僕が統括する形で 進んでいく。 ありがたいことに、紅白は1年の締めくくりということでアーティストも気合が入って いる。一緒に作っている感覚がすごくありますね。担当のディレクターがアーティスト と日々やり取りし、最高のパフォーマンスを引き出すにはどうしたらいいか、衣装は何 を着る、ステージの演出はどうすると議論しながらやっていく。必ずしも、NHKが「こ うしてくれ」と言う通りになるわけではない。 曲についても「今年はこの曲で」と言われる方もいますし、NHKに任せますと言う方も いる。アーティストによってまったく違って、毎年もめる人もいれば、毎年お互いの思 いが一致する人もいる。 ──MISIAのステージの演出については? 実はですね、僕自身がプロデューサーとして、MISIAさんとはお付き合いが長いんです 。2015年から毎週火曜日、FMで「MISIA星空のラジオ」という番組をずっとやっている 。 そこでときどきゲストを迎えるなかで、LGBTQに関しては3年くらい前かな、「台湾LGBT プライド(LGBTパレード)」に彼女が参加した頃に、「プライドハウス東京」をやって いる松中権さんや、「東京レインボープライド」の中心的人物である杉山文野さんをゲ ストに呼んだ。そこでは、台湾がいかに同性婚実現に向けてアジアでリードしているか や、プライドパレードが素晴らしかったという話をしてもらった。 ドラァグクイーンのhossyとマーガレットに来てもらって、彼らが考えるLGBTムーブメ ントみたいな話をしたこともある。節目節目で、MISIAのLGBTQへの思い、セクシャルマ イノリティへの差別・偏見を少しでも減らす社会を目指したいっていうアーティストと してのメッセージみたいなものを発信する番組を一緒に作ってきた。 ただ、紅白でああいうことをやりたいと言ってきたのはMISIAです。出演交渉を進めて いくなかで、司会が綾瀬はるかさんなので、彼女が主演したヒットドラマ「義母と娘の ブルース」の主題歌「アイノカタチ」を歌うこととともに、(オリンピック・パラリン ピックのある)2020年には日本が世界にどうメッセージを伝えるかが大事というような 話をした。そこで、多様性などについてMISIAが日頃発信しているものを紅白という場 で表現してみようか、となったんです。 本当に本番の日ぎりぎりまで、何度もリハーサルをした。カット割りや照明1つとって も、MISIA側の思いも強かったし、僕らもそれに応えてより良いものにしなくちゃとい うのはすごくありましたね。 説明過多になる恐れが...... ──少しずつ変わってきてはいるが、日本ではまだLGBTの権利擁護が大きな潮流になっ ていない。そのなかで、「国民的番組」と言える紅白のトリにレインボーフラッグをも ってきたのは画期的だった。一方で、理解できない視聴者も多かったのではないか。「 娘に聞いて意味が分かった」とSNSに書き込んでいる人もいた。 そうですねぇ......僕らはMISIAと日頃から付き合っているから、彼女が(紅白で)表 現したいことは非常に理解できました。だから、誤解を招いたり、セクシャルマイノリ ティーの当事者の方が違和感を持たれるような表現ではなく、きちんと伝えるにはどう したらいいかという議論にはかなり時間をかけた。結局、ああいう演出になったんです が、強いて言えば、あまり説明をしなかったということかもしれない。 ──意図的に説明をしなかった? 昨年12月6日に「LIVE PRIDE(ライブプライド)」というMISIAが出演したライブがあっ た。そのイベントに向けてMISIAのラジオでも何度か、「星屑スキャット」とか「八方 不美人」とか、出演するドラァグクイーンのみなさんにゲストとして来てもらった。彼 らがLIVE PRIDEをMISIAとどう作り上げるかを僕は横で見ていて、すごく気を付けなが ら作っていることが分かったし、LGBTムーブメントを引っ張って行こうというエネルギ ーを感じた。 だから、LIVE PRIDEでやっているようなことを、彼らが作り上げているエンターテイン メントを余計な説明を加えずにそのままやればいいんじゃないかと思ったんです。 ──例えば、曲紹介のときにプライドやレインボーフラッグの意味などを説明する演出 もあり得た? 今だから言えますけど、曲のプレゼンテーションをどう作り上げるかについては、本当 にいろんな案があったんです。 例えば、MISIAはアフリカの支援活動や社会貢献みたいなことをやってきて、そのなか にLGBTQ支援があり、今年はLIVE PRIDEっていうイベントがあって......という説明を する案があった。でも僕は、そうしたVTRを流して説明したところで、視聴者は「早く MISIAを見たい、聴きたい」ってなるだろうし、余計なことは言わないほうがいいな、 と思ったんです。 NHKでよくあることですが、説明過多になってしまう恐れがあった。そこはすごく議論 したんですが、正解がなくてですね......。「レインボーフラッグを見て勇気づけられ た」という人もいれば、「あれ何?」となった人も多かったはずですが、でも、あの6 色で何が表現されているかが分からない人にとっては考えるきっかけ、会話が生まれる きっかけにはなったと思う。 2曲目の「INTO THE LIGHT」はMISIAの初期の名曲(98年)。ドラァグクイーンとステー ジを作り始めた頃の曲です。彼女が昨日のラジオで「INTO THE LIGHT」はドラァグクイ ーンをイメージして作った、と言っていて、「へー」って思ったんですけど。 ──加藤さんとMISIAさんの長い付き合いがあったからこそ可能な演出だった? 僕以外のプロデューサーだったらどう判断したかは分からないが、例えば今回担当した ディレクターは開口一番、「いいですね」と言っていました。 2020年にオリンピック・パラリンピックで世界中のアスリートや関係者、観客が大勢や って来れば、日本社会における多様性やセクシャルマイノリティーへの配慮みたいなこ とがどこまで行き届いているかは必ず見られる。セクシャリティーだけじゃなくて人種 だったり、年齢だったり、いろんな意味で社会がどこまで気遣いをしているか、と。 昨年のラグビー・ワールドカップの期間中には「プライドハウス東京」(LGBT情報の提 供やイベントを行う交流スペース)が作られ、そこを大勢の選手や関係者が訪れた。そ ういうムーブメントが日本でも起こりつつあると世界に発信することは大事でしょう。 64年のオリンピックのときみたいに高速ができたり、街が生まれ変わったりというのは ないかもしれない。でも何かが変わるという意味では、ダイバーシティーをきちんと表 現するということを紅白みたいなある種、メインストリームの番組でやってみる価値は あると僕らは思った。 いずれは紅白混合チームに? ──星野源さんがピンクのダウンジャケットを着ていたのも、ある種のメッセージだっ たのか。 あれはたぶん、前年の発言(「紅組も白組も性別関係なく、混合チームで行けばいいと 思う」)に思いのほか反響があって、ご本人がね(考えた)。 まあ、MISIAのシーンへの反響から、セクシャルマイノリティーの方の中には「紅と白 で男女が分かれる」番組を見るのが辛いという方もいるんだと、改めて感じました。 ──将来的には、紅白でなくなる可能性もある? そういう議論が起こる可能性もあるが、「紅白」という大きな枠組みは変わらないと思 う。紅白と言っている以上、紅白だよな、みたいな。ある種、哲学的ですが......。 ただ今回は特別企画として、紅でも白でもないプレゼンテーションを増やした。かつて は本当に、紅組と白組の「対戦」を意識して演出していた。それがいつの間にか、1組 ずつ対戦していくのではなく、きれいに進行が流れるようなフォーマットに緩やかに変 わってきている。視聴者のみなさんも次は紅組、白組というより、次はこのアーティス ト......と自然に受け入れるようになっているんじゃないかと思います。一方で、対決 色が薄まっていることへの批判もある。特に昔の紅白が好きな年配の方には、原点を見 失っているのではないかと言われる方もいる。 ──氷川きよしさんも注目されたが、多様性をうたったMISIAにつながる演出と考えて いいのか。 氷川さんの場合は、「演歌界のプリンス」と言われた20年間で築き上げてきたアーティ スト像を打ち破って、今の表現に行きついたことに世の中がびっくりし、共感している から、あそこまで話題になったと思うんです。彼の場合は、特にご自身のセクシャリテ ィーに言及しているわけでもないし、ただ一貫しているのは「自分らしく生きていく」 という発信。紅白の現場でもその決意を感じましたね。 ──視聴者の反応で印象深かったのは? 例えば、ジャニーズのグループが多過ぎると か......。 それは毎年言われていることですが(笑)、ネットなどの反響を見ると、やはりこの MISIAのシーンのインパクトが大きかったようです。伝えるべきことはきちんと伝わっ た、お祭り騒ぎとは違う伝わり方をしたとすごく感じられた。 批判的な意見も覚悟していたし、なぜ今この6色を演出したのかと問われたとき、ちゃ んとお話しできるよう用意はしていた。でもびっくりするくらいネガティブな反応がな かった。 ──そう意味では、日本社会はだいぶ変わった? まだまだ課題は多いと思います。LGBTQのみなさんが自分たちの生きづらさを伝えたい と思ったときに、なかなかその手段がないのは事実ですし。そのときに、少しずつ理解 を深める手段という意味では、エンターテインメントもその1つかなとは思う。 -- https://www.facebook.com/MISIAsupporter MISIA 情報彙集應援專頁 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc), 來自: 180.176.95.39 (臺灣) ※ 文章網址: https://www.ptt.cc/bbs/MISIA/M.1580253464.A.F0A.html
文章代碼(AID): #1UCC4OyA (MISIA)
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