[新聞] 七つの海に響く歌 MISIA x Yahoo CEO

看板MISIA (MISIA - 米希亞)作者 (Endless World...)時間12年前 (2013/06/23 22:35), 編輯推噓0(000)
留言0則, 0人參與, 最新討論串1/1
http://csr.yahoo.co.jp/dialogue/volume1/index.html 七つの海に響く歌 MISIA 〈アーティスト〉 宮坂学 〈ヤフーCEO〉 アーティストとして活躍しながら、社会貢献活動に奮闘するMISIA。その影響力の大き さから、彼女の真摯なメッセージは多くの人の目に触れ、心を打ってきた。彼女は何を 見、何を考えて活動を続けるのか。一見対極の、IT企業のトップ・宮坂学との対談から 見えてきた彼女の真意とは──。 文化発祥の地としてのアフリカ 宮坂  MISIAさんの音楽は僕もいつも聴かせていただいています。 MISIA  ありがとうございます。 宮坂  いや、お礼を言わなくてはならないのは僕の方です。MISIAさんの音楽から大き な励ましと力をいただいています。一方でMISIAさんは音楽活動とは別に、アフリカの 子どもたちの教育支援など、社会貢献事業にも取り組まれていますね。アフリカに興味 を持ち始めたのは、何かきっかけがあったんですか? MISIA  自分が好きなソウルミュージックのルーツがアフリカにあったものですから。 音楽や文化といった方面からアフリカに興味を持ち、徐々に、アフリカを身近に感じて いくようになっていきました。同時に、アフリカが直面している教育問題や貧困といっ た困難にも、自然と目が向いていくようになりました。 宮坂  実際にアフリカには行かれているんですか? MISIA  初めてアフリカに行ったのは、信藤三雄さんというアートディレクターの方に 声をかけていただき、2007年に渡航したケニアでした。 宮坂  アフリカの第一印象はいかがでしたか? MISIA  すごく良い場所ですよ! 広大な自然、豊かな資源、そこに住む人たちにも活 力があり、何より私にとっては、アフリカの音楽は想像を超えるものでした。お祭りの 期間中は2日間、48時間も太鼓を演奏して歌い続けている方々もいました。私たちには 考えられないパワーです。 宮坂  ものすごい体力ですね(笑)。 MISIA  音楽自体も、普通、4連符の音楽だったら4拍子の歌しか登場しないのですが、 3・4・5連符が同時進行する、洗練されていて素晴しい完成度なんです。同時に、悲し い話もあります。それぞれの曲には例えば自然への感謝などのメッセージが込められて いるのですが、アフリカへ来た人の中には、そのサウンドを録音し、全く違うテーマの 楽曲にサンプリングしてしまう方もいるんだそうです。知的財産権の問題もありますが 、アフリカのリズムにはそれぞれメッセージがあって、戦いのビートもあれば、農業、 愛のビートと、それぞれに意味が存在するんです。そのソウルを理解せず全く違う文脈 で使われていて、すごく悲しんでいました。 同時に、子どもたちの教育問題も目の当たりにし、それが、今の活動につながっていま す。私としては、もっとアフリカの素敵な、尊敬できるところを伝えることで、精神的 に歩み寄ってリスペクトし合える関係を生み出したい。これまでとは違う関わり方を築 くことで、新たな世界が開けるはずだと考えています。 宮坂  素晴らしい文化に魅せられてアフリカに触れていく中で、アフリカの抱える問 題にも関心を持たれるようになったんですね。 MISIA  そうですね。平和で繁栄した公正な世界を作り出すために国際社会が2000年に 打ち出した「ミレニアム開発目標」の達成に向けて、<音楽やアートを通じた活動が世 界を変える>というコンセプトに賛同してくれた人たちが集まって、2010年には「 mudef(ミューデフ)」という財団も立ち上がり、今はそこを通じて活動を続けていま す。 例えば「初等教育の普及」のため、「Child AFRICA(チャイルド・アフリカ)」という 子どもたちの教育支援に取り組むプロジェクトを推進したり、「人々の生活向上と地球 環境の保全」という目標のために、生物多様性に関連した情報提供も行っています。 宮坂  著名なアーティストであるMISIAさんが、第一線に立たれて声を挙げるというこ とはとても重要なことだと思います。 MISIA  私は今までにアフリカの6カ国を渡航しています。今年、セネガルに行った際 、20世紀を代表するアフリカンミュージシャン、ドゥードゥー・ンジャイ・ローズさん と『MAWARE MAWARE』という曲をリアレンジし制作しました。そこで使われたサバール という太鼓には、7つの杭があるのですが、その杭は、7つの海と7つの大陸を意味し、 つまりそのサバールは世界を意味し、だからこそ力がある太鼓だと教えてもらいました 。私はこのお話から、世界中でみんなが声を挙げれば、いつか世界を変える力を持つ─ ─そんなメッセージを感じました アフリカに学ぶこと MISIA  宮坂さんはアフリカに行かれたことはありますか? 宮坂  いえ、残念ながら僕はありません。でも一度、サハラ砂漠マラソンの写真展を 見た時、この世のものとは思えない光景に目を奪われた記憶があります。そこには、僕 のイメージを遥かに超えた、様々なタイプの砂漠が広がっていました。 MISIA  自分が生きている世界だけがすべてではないと知るだけでも、人として豊かに なれますよね。 宮坂  僕も、自然や風景が発する力に刺激を受ける人間なので、世界でも一番ナチュ ラルな自然が残っているアフリカには一度行ってみたいと思っています。 MISIA  行って交流するだけでも、お互いにとってすごく有意義です。例えば、マラウ イの孤児院にいた女の子たちが、私を見て、女性が働いて自立して、自分の意志でここ にいるということにとてもビックリしていました。同時に、自分たちも頑張ろうと意欲 を持てたとも話してくれました。 その孤児院を営む女性も、決して潤沢なお金やモノがあるわけではない。けれど、心を 痛めている子どもの話を聞くことも、抱きしめることもできる。愛は売ることも買うこ とも出来ないけれど、皆が持っているもの。「LOVE IS FREE」なんだと言っていました 。私たちは、支援しようとすると真っ先に金銭を思い浮かべるけれど、その話を聞いて ハッとしました。リアルな関係性の中から生まれるサポートこそ、力になるのだと思い ます。相手を知る、相手に学ぶことは、大切なことですね。 宮坂  普通に暮らしているとなかなか遠い国を知る機会も、知ろうというきっかけも ないので、MISIAさんの行っている活動は本当に貴重だと思います。 MISIA  世界に横たわっている問題を、他人事とは思わない想像力が大事なんでしょう ね。財政難に陥った時、真っ先に削られるのは教育と保険の予算であることが多いそう です。でもそこを削られれば、教育を受けられずに大人になった人たちで構成される社 会が未熟なものになってしまったり、健康が損なわれて労働力も減ってしまい、財政危 機に直面するという悪循環があります。先進国でも発展途上国でも、それは同じです。 一方で、日本ではいじめを苦に自殺する子どももいますね。アフリカでは劣悪なスラム 街で暮らしたり、家もなくストリートチルドレンとして暮らす子どもが大勢いるのに、 子どもが自殺するなんて話は聞いたこともないそうです。もしかしたら飢餓や伝染病よ りも、いじめの方が精神的には辛いものなのかもしれない。それを思うと、精神的に、 お互い学び補い合えることは必ずあるはずです。 だから、アフリカの教育支援をするだけではなく、日本でアフリカの写真展を開催した り、日本の学生にアフリカを知ってもらえるよう写真パネルを展示する「スクール・キ ャラバン」イベントを実施したり、私たち自身がアフリカを通して「学ぶ」ことができ る活動も続けています。 リアルなものをつなげること MISIA  アフリカの大地にインターネットの回線を敷くのは大変でしょうが、アフリカ にも携帯が普及して、ネットを利用する人が増えています。だから、アフリカの方が国 外の動きを知ることができる機会も増えているのではないでしょうか。 宮坂  格安のタブレットコンピューターをつくって、アフリカの子どもたちに無料同 然で配ろうというプロジェクトがあります。タブレットが一台あれば、今だったらヨー ロッパの一流大学の授業をオンラインで見ることができるプログラムもあり、教育とい う観点では格差は減ってきていると思います。 インターネットでは、聞けば誰かが答えてくれる。ただし、ネットを利用した教育の研 究はまだ未開拓なので、ネットだけでの教育は不十分だという意見もあれば、ネットに よってよりイノベーティブな教育が可能だという意見もあります。でも、タブレットや スマートフォンを世界中の子どもたちが持てるようになれば、その人にとって一番良い 知識に、本当の意味で世界中どこからでもアクセス可能な世の中が実現されることは確 かです。 MISIA  技術の発展がもたらしているものは大きいと感じています。ですが、技術や機 器が発展しても、利用する私たちの精神的な成熟が追い付いているかはわかりません。 今は、ネットを通じてみんなが表現者になれる時代ですが、その時、目の前にいない他 者を意識した言葉遣いはもちろん、自分が発信する情報のリアリティも問われている気 がします。 宮坂  みんなが表現できる時代には、自分自身が触れているリアルな情報をいかに伝 えるかが重要になってくるということですね。言い換えればそれは一次情報です。リア ルなものは、表現する時には必ず自分の言葉になる。 MISIA  知識には意識を変えさせる力があると思います。精神的に成熟するためにも、 知識を蓄えて意識を変えていく必要がある。でもその逆もまた真ですね。貧困や格差社 会という言葉だけではなく、生物多様性の保全にしても、森に他者がいることをどれだ け自分で感じることができるか。豊かな自然を更地にすることで、どれだけの生物に影 響を与え、結果的に自分にどうつながるか。自分のこととして意識しはじめると、取り 込む知識も変わっていくはずだと思います。 私は、長崎で生まれ平和教育を受け、紛争問題に心を痛めました。同時に幼少期を自然 豊かな対馬で過ごし、その恩恵を受けて育ちました。また、子どもの頃から地域として のアフリカに興味がありました。そして、自分の中で、それらの問題は全部つながって いると考えるようになり、2007年にケニアでその思いが形になりました。貧困の中にあ っても自給自足を営む精神的に豊かな人はいたけれど、環境が破壊されれば、その生活 も壊れてしまう。貧困と環境問題の根っこは同じです。 宮坂  僕も山口の周防で育ち、目の前が海だったのでその感覚はよくわかります。魚 を獲ってそれを糧にした経験があるので、リアリティのある情報として身体が覚えてい る。しかし、僕の時代でさえ、砂防堰堤やダムのせいで、海や砂浜はもはや自然の形で はありませんでした。 MISIA  もちろん、人間が生きていく上で、すべての開発をとめられるかと言うと、悲 しいけれどそれは無理です。では、なるべく環境に負担をかけないように学んで実践す るしかない。私は「自然を守る」という言葉にすごく違和感があって、本当は「私たち の命を守るために、今のこの自然を守りましょう」ということですよね。 自然は強い。もし人間がいなくなったら、その暁にはまた復活するでしょう。でも、私 たちが生きられる世界は今のこの自然環境しかないので、今の自然、生物環境を守るこ とは自分の生活にとって必要です。そのことにみんなが気付けば、もっと付き合い方が 改められて行くと思います。 宮坂  インターネットが面白いと思うのは、人と違う活動をする人にはとても便利な ところです。MISIAさんは影響力の大きいアーティストですが、普通の人が何かを変え ようとしても、大抵ひとりぼっちになりやすい。でも、ネットを介せば、少数派同士が つながりやすい。 MISIA  正しい民主主義の実現のためには、少数派も大切にしなければいけないという 考え方があると聞いたことがあります。本当の意味での民主主義に近付いているのかも しれませんね。 アフリカでも、人と人のつながりは力になると言われています。私は、2013年6月に開 かれた第5回アフリカ開発会議の名誉大使にも任命されましたが、テーマは「アフリカ 、ともに成長するパートナーへ。」でした。支援という一方向からだけの活動ではなく 、お互いのためのつながりをどう構築するか。それを考えることが、精神的な歩み寄り の第一歩になると思います。 宮坂  インターネットもつながりを補強してくれるという意味で、目を向けている方 向は似ているのではないでしょうか。ただその一方で、SNSなどのつながり重視のサー ビスが増えてきています。例えば、そこで2000人の友達がいるからと言って、それはリ アルな友達だと言えるのか。最近、本当の意味での「つながり」とは何なのかを考えて います。もちろん、インターネットはつながりのきっかけにはなるかもしれない。それ に、若い世代ではまた感じ方も変わってきているはずで。その意味でも、MISIAさんの お話を聞いて、改めて「つながり」を見つめ直してみようという気持ちになりました。 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 118.232.182.99
文章代碼(AID): #1HnmV0L6 (MISIA)
文章代碼(AID): #1HnmV0L6 (MISIA)