[月海] LUNA SEA再始動の勢いを加速す
LUNA SEA再始動の勢いを加速する新作「Thoughts」についてINORANに訊いた!
LUNA SEA | 2013年08月29日 18時00分
昨年12月に両A面シングル『The End of the Dream / Rouge』をリリース、今年1月に
は日本武道館6DAYS公演を行い、そのバンドパワーを見せつけたLUNA SEA。武道館では
アルバムも制作すると宣言、次なるアクションが注目されていたが、8月28日にニュー
シングル『Thoughts』をリリースすることとなった。今の彼らの勢いを物語るような疾
走感あるれるロックナンバーで、貫禄十分の仕上がり。今回はバンドを代表して、「
Thoughts」の原曲を作曲したギターのINORANに制作面の話や、今後の予定についてきい
てみた。
EMTG:ニューシングル「Thoughts」の原曲はINORANさんですね。前のシングルからは約
8ヶ月ぶりのリリースですが、この「Thoughts」にも、“また始まるんだ!”という強
さを感じます。
INORAN:LUNA SEAが本格的に再始動するにあたって、まずセルフカバーアルバム(=
1stアルバム『LUNA SEA』をセルフカバーした『LUNA SEA』)もやり(11年)、 去年は
「THE ONE -crash to create-」っていう20分以上の曲も作って、ツアー(=“LUNA
SEA LIVE 2012-2013 The End of the Dream”)をやって、12月にはシングル『The
End of the Dream / Rouge』も作り……さて、次はどこにいこうっていうところで、や
っぱり疾走感が欲しかったんですよ。そこでこの曲を選んだってことですかね。
EMTG:すでに走り始めていたはずだけど、「Thoughts」からはもっと加速する勢いを感
じるんですよね。ただ、さすがにシングルの候補曲は何曲もあったと思いますが。
INORAN:もちろん何曲か候補はあったけど、僕ら、今年の日本武道館(1月上旬に行っ
た6DAYS公演)でアルバムを作るって宣言したように、アルバムを見据えて走りたかっ
たんですよね。そこはこだわるべきだとも思ったし。だから重厚というよりは、こうい
う“走り出す曲”が必要だった気がします。
EMTG:なるほど。まず、アルバムに向かってのシングルがある……ということですね。
INORAN:そこは昔ながらですかね(笑)。キャリアも長いし、アナログ時代も知ってい
るじゃないですか。A面B面って考えるのも含めて、どうしてもシングルはアルバム先行
シングルって考えちゃうんですよね。シングルはアルバムの名刺がわりっていうか。
EMTG:メンバー個々のソロ活動で得たものもあると思うんですけど、レコーディングで
は“お、こいつ前とは違うな”っていう発見もあるんでしょうか?
INORAN:いつもそれの連続です(笑)。ただ、“ビックリした”十何秒後かに“あ、ら
しいな”って思うんだけどね(笑)。
EMTG:以前RYUICHIさんの取材をした時に、自分のソロとLUNA SEAでは、確実に歌い方
が変わるっていう話をきいたんですよ。そういう違いって、メンバー間では気になった
りするんですか?
INORAN:そこを分けることって、すごく大事だと思うんです。なぜなら、今までLUNA
SEAを聴いてくれていた人の中にもLUNA SEAっていう木があるわけで。それに対して裏
切っちゃいけないと思うんですね。花をつけたり、幹を加えたりするのはいいんだけど
、切ってはいけないというか。キース・リチャーズもよく似た話をしてるんですけど、
彼だっていつもドクロを持っているわけでも、ドラッグをやっているわけでもない(笑
)。ただ、みんながイメージするキース・リチャーズを何十年も演じていて、その上で
さらに新しいことを取り入れていくというスタイルって大事だと思うんですよね。
EMTG:なるほど。ところで、カップリングの「Lost World」は、また「Thoughts」とは
雰囲気が違う曲ですね。ギターリフがちょっとファンキーで。
INORAN:「Thoughts」とのコントラストもあるし、「Lost World」はいわゆるB面だよ
ね(笑)。この曲は、RYU(=RYUICHI)がベースを作ったんですけど、それをSUGIZOが
アレンジしたので、たぶんSUGIZOエッセンスが入った曲ですね。
EMTG:ダンサブルなLUNA SEAって、かなり新鮮なんですけど。
INORAN:……って言われますよね(笑)。俺はそんなに意外な気はしないけど、最終的
にはこの5人でやると“らしく”なっちゃうから(笑)。
EMTG:そういう意味では、2曲ともタイプは違うけど、勢いを持った曲になりましたね
。ちなみに制作方法って以前と比べて変化したんですか?
INORAN:基本は変わらないですよね。まず、メンバーで集まってプリプロ合宿をした時
から、この2曲はすでにあったし。
EMTG:へぇ! プリプロ合宿(=曲作り用の合宿)をやるアーティストなんて、最近あ
まりいないかも(苦笑)。
INORAN:バンドは一緒に音を出して曲を作っていくんだって部分を重要視するメンバー
もいるしね。かと思うと、一発の音に賭けたいっていうメンバーもいて、相変わらず個
性はバラバラですよ(苦笑)。ただ、最初はやっぱり自分達のスタイルでやろうと。結
果、すごくよかったと思いますよ。それで十何曲できましたからね。
EMTG:すごい! 合宿の雰囲気ってどうなんですか?
INORAN:基本的にはワチャワチャしてますよ(笑)。ただ、どうやって自分のベストを
出すかってところにはこだわってますね。
EMTG:ところで、ちょいちょい話題にのぼっているアルバムについてですが、こちらの
進行状況はいかがですか?
INORAN:現在制作中です。半分は超えてると思います。まぁ、みんな個々のスケジュー
ルがあったりするんで、時間はかかってるけど、こういう制作の仕方はこれまでやった
ことがないんですよ。時間をかけると、いろんな思いが詰まってくるし、すごく感慨深
いアルバムになると思いますね。僕らにとっても、みんなにとっても。
EMTG:ということは、プリプロ合宿を始めた時期から最近になってできた曲まで、幅広
く収録されるわけですね。
INORAN:あ、まさにそういう感じです。
EMTG:楽しみですね。いつ出るんでしょう。
INORAN:わかりません(笑)。まぁ、なるべく早く出したいけど、こればかりはLUNA
SEAというバンドの特性ですからね。音に関してはホントに妥協しないバンドなんで。
EMTG:そこも昔から変わらないところですね(苦笑)。
INORAN:そこは“らしい”ところなんじゃないですか?
EMTG:ですね(笑)。あとは、アルバムが完成したら、ぜひアルバムを掲げたツアーも
やってほしいところですが……。
INORAN:まだ具体的なことはわからないですけど、来年はLUNA SEAも25周年を迎えるの
で、“何かしらのアクションは起こしたいよね”ってメンバー同士では話してます。
EMTG:25周年ですか! ファン層も広がったでしょうね。
INORAN:“小学生の頃からファンでした”とか言われると、“あれ~?”ってビックリ
するよね(笑)。いや、もちろん基本は嬉しいですよ(笑)。これだけ長いこと活動が
できるのは幸せなことですし、すごく嬉しいです。その分、みんなの心の中にある
LUNA SEAっていう木を、全力で作らなきゃいけないっていう責任も感じますけどね。
EMTG:ですね! またアルバムが完成したら、ぜひお話をきかせてください!
【取材・文:海江敦士】
http://music.emtg.jp/special/2013080256642fe88
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