[香織] 持田香織 アルバム『manu a manu』インタビュー

看板ELT作者 (板貓)時間12年前 (2012/08/01 15:42), 編輯推噓1(101)
留言2則, 2人參與, 最新討論串1/1
今作『manu a manu』は持田さんにとってソロ3作目のアルバム。前回のインタビューで は、今回で一つ持田香織というアーティストの世界観を出したいとおっしゃっていまし たが、こうして実際に完成した今、その手応えはありますか? そうですね…1枚目の『moka』の時は、Every Little Thingからちょっと外に出て、自 分が敬愛するミュージシャンの方達と作品を作っていくっていうのがテーマで。私も手 探りな部分がありましたし、色々と落ち着きがない感じを楽しんでたというか(笑)。 色んなところに寄り添いながらも、自分にはどんな可能性があるんだろうっていうのを 楽しみながらやってた一枚だったんですね。その結果、優しくて手触りのいい、カーゼ みたいな質感の音の集まりというか、派手じゃないんだけど一枚としてまとまりのある 作品が出来たと思ってるんです。 2枚目『NIU』の時は? 『NIU』では、そこからもうちょっと踏み込んだところに。“音楽”という部分と向き 合っていける自分でありたいっていうのがテーマでした。普段ご一緒する機会がない方 達…特に半野(喜弘)さんとは、コードの付け方一つ取っても、自分がELTでやってた 時のようにはいかなかったり。レコーディングする時も、1週間の強化合宿、みたいな (笑)。それまで自分は何を歌ってきたんだろうって思い知らされるくらい、半野さん とのレコーディングは本当に厳しかった。だから私、ボイトレの回数を死ぬ程増やしま したもん(笑)。それくらい、色々見直さなきゃいけないなって思ったんです。 打ちのめされたと言ってもいいくらい? もう本当に。これじゃいけないって思ったし、でも半野さんみたいな方とレコーディン グできて本当に良かったと思いました。厳しくもありつつ、でもすごく愛情を持ってや ってくださる方なので。やっぱり、そうやって見直すことも必要だったし、その中で新 しい自分を知るっていうのが2枚目でした。 それを経ての3枚目が、この『manu a manu』。 今回は、以前も一緒にやってくれた人達がほとんどだったので、やっぱりコミュニケー ションが取りやすくて。レコーディングの合間にもご飯行ったりだとか、普通に会う機 会もありましたし。なんかその、お願いしましたからスタジオに集まってっていう感じ じゃなく、事前に「こういうのがいいと思うんだけど」って、そういうやりとりができ る人達になってたんです。 それこそ重ねてきた月日の賜物ですよね。 はい。なので、そうやって繋がったところから、そのまた一歩先はどういう感じになる んだろうってところに踏み込んだのが、今回の3枚目なんです。 より密なコミュニケーションを取りながらの制作だったんですね。 前の2作よりはだいぶ取れていたと思います。『NIU』までは自分のことで精一杯だった んですよね。好きな音楽家の方達にお願いしたサウンドに、自分がボーカルという立場 でどういうふうに混ざり合っていくかということだったり。でも今回は、例えば半野さ んにしても、2作目よりもうちょっとこちらに近付いて来てくれたような感覚もありま した。近付いて来てくれつつ引き出してもくれる、みたいな。それって多分、話して話 して話してっていうところから生まれてくるものなんだろうなって。 今回“はじめまして”の方は? ミト(クラムボン)さんですね。あ、中島(ノブユキ)さんもアルバムでは初めてです けど。ミトさんは「めぐみ」で初めてお会いしました。ただ、同じ初めてでも、1枚目 に皆さんと初めてやった時とは違う初めてっていうか。私自身、自信を持ってやりとり が出来たところもありますし、ミトさんもすごく音楽に対してストイックな素敵な方で 。ボーカルに対しても、録り方をはじめちゃんと導いてくれる。先生みたいというか( 笑)、やっぱり全体を見てくれる方でした。バンドも、ドラムの柏倉(隆史)さん( toe)やピアノの末光(篤)さんをミトさんがチョイスしてくださって。そういう方達 と出会えたのも大きかったですね。 今回、ほぼ全曲を持田さんが作詞作曲したというのも今作のキーになってると思うんで すが、それは意図して選んだことだったんですか? もっと時間があれば、この人に曲を書いてもらいたいってことをお願いしながら、ゆっ くり作っていくやり方もやってみたいんですけど…。今回、準備はしていながらも、実 際レコーディングに取り組んだのってELTのORDINARYツアーが終わってからだったので 。そこから曲を書いてもらってってなると、時間的にどうかなって思っちゃったりして 。 全体的なことを考えて。 そうですね。でも、音作りは好きな音でお願いしたくて。ただ、皆さんがそれを引き受 けてくれるのかくれないのかっていうのもわからなかったので。時間もない中だったの で、申し訳ないなって思いながらでもあったんですけど。 それにしても、すでにお名前が挙がったミトさんや半野さん、中島さんの他にも、おお はた雄一さんや大橋トリオさん、大谷友介さんなど音楽ファンが喜ぶ豪華なミュージシ ャンが集結してますよね。 本当そうなんです~。 この人選は持田さんの中で制作段階からイメージされていたものなんですか? メロディに対して、この曲だったらこの人にやってもらいたいかもっていうのはありま した。例えば「雨は徒然に」だったら、中島さんにピアノを弾いてもらいたいな、そし て願わくは北村(聡)さんにバンドネオンを…みたいな感じでお願いして。なんか私、 歌謡曲時代の人たちがフレンチポップを意識して作ったような雰囲気がすごく好きで。 「雨は徒然に」はまさにそういう曲調ですよね。 はい。 こういう雰囲気の曲が欲しいなと思って作ったんですか? この曲は割と自然と出てきた感じですね。だから、やっぱり好きなんだろうなって思っ たんですけど。欲しいなぁと思いながら作ったのは、「HAJIMARI」がそうかもしれない 。普段あまり出てこない感じの曲調なんで、歌うのが結構難しかったです。 具体的にはどのあたりが? 裏を取っていくみたいな感じ。タンタンタンタンって、言葉を切っていかないとリズム が出てこないっていう。切り際でリズムを作っていく歌い方…全然わかんない、みたい な(笑)。仮歌の時はでたらめ英語みたいな感じで歌ってて、その時はサラッと歌えて たんですけど。やっぱり日本語って本当難しいんですよね。この曲をプロデュースして くれた大橋さんとも、やっぱりご自身も歌ってるからわかると思うんですけど、「突然 日本語になった時の違和感ってあるよね」って話をしていて。日本語って発音のアタッ クが強いから、そこをサウンドとうまく馴染ませるのに苦労しました。 他にこういうテイストの曲が欲しいと思って作った曲はありますか? 「State of mind」は四つ打ちの曲が欲しいなと思って作りましたね。 ただ、これだけ色んな方が参加されて、バラエティに富んだ仕上がりになった楽曲達を 一枚にまとめるのは大変だったんじゃないですか? あ、でも、すごくコンパクトにまとまったし、サラッと聴ける感じにはなったかな、と 。それは、例えば半野さんの曲の中でもピアノを中島さんが演奏してくれてたりだとか 、「雨は徒然に」では神谷(洵平)くんがドラムを叩いてくれてるんですけど、他の曲 でも叩いてくれてたりとか。 クレジットを見るのも楽しみですね。 そうなんです。他にも、東京ホタルのイベントに出させてもらった時はおおはたくんが ギター弾いてくれたり、そうやってみんな繋がってるという関係性があったので。 それが音の統一感に影響した、と。 そうですね。それに、例えば「美しき麗しき日々」から「雨は徒然に」っていう中島さ んの曲が続く時は、この曲で終わるから頭にイントロが欲しいんですみたいなことも相 談できましたし。 それは大きいですね。 はい。「雨は徒然に」も、最初のイントロにキーボードを入れることで、「美しき麗し き日々」のテンションからちょっと、「雨は徒然に」の世界観に集中出来るように。「 やさしくなれたら」はおおはたくんのアレンジなんですけど、お願いする際に「雨が徒 然に」を聴いてもらって、この曲の後に入れたいんだけどどういう感じが合うかなぁっ て話をして。結果、ギターと歌だけでいいかもねってことになったんです。それは「雨 が徒然に」を聴いてもらってたからこそ、繋がりが気持ちいいものに出来たかなって。 「やさしくなれたら」から繋がる「tokyo hotaru」は、特にそういうことはしてないけ ど気持ちよく聴こえるし、「tokyo hotaru」からの「State of mind」はどちらも半野 さんの曲だから当然違和感なく聴こえるし。今回のアルバムで唯一曲を書いていただい た「悲しいときも嬉しいときも」は、ちょっと唐突な感じがするけれど、でもやっぱり 宇崎(竜童)さんのキャッチーなメロディが逆に新鮮で。アルバム終盤に向けて盛り上 がる一曲にもなったように思います。なんか、自分で曲を作ってる時は、やっぱり色ん なタイプの曲が欲しいなと思ってたので、自然に出来ちゃった曲もありつつ、こういう 曲が欲しいという作り方もしていて、すごく表情が豊かになっちゃうかと思いきや、結 局そういう音の繋がりだったり、色んな人との繋がりが全体を通しての統一感に出たの かなって思いました。 色んなものが関係し合っていて、本当、紡がれてる気がしますね。 そうなんです。だから、自分の歌に対する立ち位置みたいなものも、以前に比べて全然 違いましたね。前はやっぱり、作ってもらったところに自分がどういう風に寄り添って いけるかっていう楽しみ方をしてたんですけど、今は歌いたいイメージが明確にあった りもしたので。それによって、それならピアノはこの人に弾いてもらいたいとか、こう いう雰囲気がいいとか、具体的に伝えられることが前よりも増えたんですよね。 そういう中で今回重要な聴きどころとなるのが、アルバムの幕開けを飾る「manu a manu」。この曲で持田さんはピアノ弾き語りを初披露してるんですよね。 そうなんです(照笑)。 今回自分で弾こうと思った理由は何だったんですか? 以前、中島さんに「持田さん、曲はどうやって作るの?」って聞かれたことがあったん です。で、鼻歌でしかできないんですって答えたら、コードって別に難しくないんだよ って。なんとなく、例えば2つの好きな音を弾いてるだけでメロディってできるんだよ っていう話をしてくださって。「え、そうなんですか!?」って、家に帰って速攻やって みたんです。気持ちいいとこ、気持ちいいとこ、気持ちいいとこ、みたいなふうに鍵盤 を押していったら「気持ちいいな、これ」みたいになって(笑)。そしたらメロディが 出てきて、出来ました(笑)。そんなふうに作った曲で、本当は中島さんみたいな人に 演奏してもらってハミングで歌うのも素敵だし、ピアノだけのインストとして入れても 素敵だなって思ってたんです。でもアルバムに「manu a manu」というタイトルを付け た時…意味は“手から手へ”とか“手作り”とかってことなんですけど、すごくいいタ イトルだなって思って、この曲のことを思い出して。1分半くらいの短い曲だし、自分 でやってみようってことにしました。 ピアノはもともと弾けたんですか? いえ、まったく弾けないです、私。 となると、短い曲とはいえ大変だったんじゃないですか? めちゃくちゃ難しかったです。レコーディングの合間に大橋さんに聴いてもらって弾き 方を教えてもらったり、ペダルの踏み方を教えてもらったり。それを自分でやってたら 、ディレクターに「持田さん、その感じだとヤバイです。あと1週間しかありません」 とか言われて(笑)。必死で練習して、なんとか。というか、弾けてないんですけど( 苦笑)。なんかこう、恥を忍んで、ここでやっとけば強くなれるかな、と(笑)。 収録曲の中でも苦戦度でいったら一番くらい? 一番苦労しました。でも、“手作り”っていう意味を込めたアルバムの始まり方として は…。確かに、つたないピアノだし、つたない歌だし、なんかよくわからないけど、自 分で初めてやってみましたっていうことから始まるこの曲、このアルバムはすごく好き なんですよね。 今作を引っさげたツアーが10月から始まりますね。 そうなんです。楽しいツアーになると思いますよ、今回。ドラムはリトル・クリーチャ ーズの栗原(務)くんにお願いできたので。栗原くんは飲み屋さんで知り合ったんです けど、そこで一緒に歌ったりしてて、なんか一緒にやれたらって言ってくれてたんです 。私もライヴとかで一緒にできたらなって思ってたのが、今回実現することになりまし た。あと、ギターはおおはたくんがやってくれることになって。 豪華ですね! いいですよね~ 持田さんが一番楽しんじゃうツアーになるんじゃないですか?(笑) 楽しんじゃう!(笑) 絶対楽しんじゃいます。嬉し過ぎます。 嬉しさが表情にこぼれてますよ(笑)。でもツアーの前にまずは今回のアルバム。ファ ンの方にどんなふうに聴いてもらいたいと思いますか? とにかく、このご時世にソロで3枚目のアルバムを出せる、盤に残せるってことはすご くぜいたくだし、幸せなことだと思うんですね。だからこそ、それに恥じないアルバム にしたいなと思ってて。今回、自分の歌に対してフィルターが取れたというか、何か一 つ、バンッと見えた世界があったような気がしてるんですよ。感覚的なことなのでうま く説明できないんですけど、歌いながらフィット感があったというか、「歌ってる!」 という感じがすごくして。自分と対話しながら、音を作ってくれる人達とも対話しなが ら、レコーディングっていうものをすごく楽しんだ。結果、1曲1曲がちゃんと存在感の ある仕上がりになったんじゃないかと思うので、それをいっぱいいっぱい聴いてほしい です。あと、これ聴きながらだとめちゃめちゃ掃除がはかどりますよ(笑)。集中力が 高まる気がするので、是非(笑)。 http://ent2.excite.co.jp/music/special/2012/mochida/ PS. PHOTOGALLERY可以抓大圖哦www -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 114.42.141.30 ※ 編輯: builddreams 來自: 114.42.141.30 (08/01 15:43)

08/02 21:39, , 1F
演唱會門票沒抽到 殘念
08/02 21:39, 1F

08/03 04:50, , 2F
悲劇了
08/03 04:50, 2F
文章代碼(AID): #1G6DtXWf (ELT)
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